あおい薬局
山積みワクチン 専門家「流行備え接種を」仙台市青葉区にある製薬卸会社。10度に設定された低温倉庫には、ワクチンの10ミリ・リットル瓶504本などが入った段ボールが山積みだ。接種回数にして約1万4000回分にあたる。
年明け以降、同社の営業担当者には「50本注文したが10本に減らして」「注文をすべて取り消したい」といった連絡が医療現場から殺到した。在庫が急増し、「昨年まで『ワクチンが足りない』といわれ、確保に奔走したのがうそのよう」と嘆く。
300回分が余っている仙台市宮城野区の小児科医院では、昨年11、12月のピーク時には150人の接種に当たったが、今は一日3~5人。院長は「足りなくなると困るので多めに確保したが、今月から激減し、インフルは忘れ去られた」と語る。
在庫がなかなか減らない原因の一つが10ミリ・リットル入りの「大瓶ワクチン」。1本で接種18回分に相当するが、24時間で使い切る必要があり、患者の少ない診療所は使いづらい。
厚生労働省によると、新型インフルエンザワクチンは国が一括購入し、卸業者を通じて各医療機関に届く。返品はできない決まりで、厚労省血液対策課 は「予算がなく、余ったとしても引き取らない」としている。県は「健康な成人への接種は需要がある。まだ余剰とは言い切れない」としている。
在庫は、本県を含む37都道府県で計654万回分に達することが、本紙の取材で判明している。
東北大の押谷仁教授(ウイルス学)は「子供の感染者が減少したが、成人の間では流行が続き、年明け以降も週10人以上の死者が出ている。1万人以 上が死亡した米国のような大流行が日本で起きないとも限らない。国や自治体は医療機関や業者任せにせず、接種を呼びかけるべきだ」としている。
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