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被災地で保健師不足深刻化

  • 2011/08/16 01:20 午前
  • 投稿者:
    Admin
最近のニュース 2011年8月13日 読売新聞

「今の態勢では、被災者の心と体のケアが十分にできない」。東日本大震災で津波被害を受けた岩手、宮城、福島県の沿岸市町村の間で、保健師の不足が深刻化していることが、各自治体への取材で明らかになった。

仮設住宅への入居が進み、今後は高齢者の孤立対策も重要になる。自治体の悲鳴は、被災者の窮状をそのまま代弁している。

「血圧がいつもと同じで安心した。よく話を聞いてくれてありがたい」。福島県二本松市の仮設住宅で暮らす同県浪江町の井野上ハツコさん(77)は12日午前、保健師・荒井利江子さん(52)の訪問を受け、肩の痛みや病院への行き方がわからないことを相談した。

荒井さんは新潟市から浪江町に応援に来ている。「仮設では知り合いが少なくて。ちょくちょく来てくれるといいんだけど」と話す井野上さんに「金曜日なら旦那さんの糖尿病の外来と一緒に診てもらえる病院がありますよ」と優しく声をかけた。

原発事故で警戒区域と計画的避難区域に指定される浪江町は役場が二本松市に移転、約2万人の住民も町外に避難している。仮設住宅は、3市1町(福島市、二本松市、本宮市、桑折町)の18か所で計約1300戸。浪江町の保健師4人、新潟市などからの応援の保健師4人、臨時雇用の看護師2人の計10人が2人1組で仮設住宅を回る。

しかし、浪江町の保健師・加井千佳子さん(47)は「訪問範囲が広すぎて、とても手が回らない」と訴える。役場から最も遠い仮設住宅まで車で30分。健康に不安を抱えるお年寄りや、放射線の影響を心配する母親らの話に耳を傾けていると、1日に訪問できるのは10~20戸だ。車で1時間かかる会津若松市のホテルを「2次避難所」とする人もいる。町は仮設住宅8か所については県の保健師に訪問を依頼するが、加井さんは「借り上げアパートにいる被災者までは回りきれない」と嘆く。

応援3人を含め保健師17人で約2000戸の仮設住宅を巡回する宮古市。震災から5か月がたち、がん検診や通常の健康相談などの業務も増えている。同市の保健師・中西由美子さん(39)は仮設住宅や被災者宅の訪問に時間をとられ、妊婦教室や母子健康相談などが先送りになることも。「市民のための巡回も大切。仮設で暮らす人の心と体のケアは欠かせないが、(ピーク時に30人いた)保健師の応援が減る中で、これまでのようにこまめに回るのは難しい」と話す。

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