さて、今日は年輪の積み重ねとともにおきやすくなる症状と、漢方薬による対処法についてお話ししたいと思います。
その前にまず。
皆さんはご存知でしょうか ?
「症状」で漢方薬を選んでも、「効くとは限らない」ということを !
いろいろな病気・症状の治療に漢方薬を使う場合、
選ぶポイントは「あなた、次に症状」なのです。
漢方薬を使った治療では「
あなたがどんな人なのか ? 」がいちばん大切ポイントになります。
体力があるのかないのか、便秘しがちか下痢をしがちか、「手足が冷たくてなかなか寝つけない」人なのかそれとも夜「足の裏が熱くて寝れない」人なのか、などなど。
こうした違いは漢方薬を選ぶ際の決定的なポイントとなり、特に慢性病の治療では薬がまったく違ってしまうのです。
ですからテレビのコマーシャルなどを見て、「症状」だけが当てはまるからといって漢方薬を購入し、「まったく効かなかった」という話はいくらでもあります。
あなたがどんな人なのか、その判別の事を漢方では「証(しょう)」と言います。
体力のある方から - 実証~中間証~虚証 - 体力の無い方まで、三つの証にわけられます。
この「証」をきちんと判別する事が、漢方薬による治療が成功するか否かの分かれ目になります。
しかし、年齢等によって発生しがちな症状のいくつかについては、あまりこうした証の判別をする事無く、気軽に使う事が出来る漢方薬もあります。
今回は年齢の積み重ねとともに起きやすくなる症状と、その治療に使う事の出来る漢方薬についてお話ししましょう。
[こむら返り]- 慢性腎不全の女性70代
慢性時不全のため、定期的に人工透析を受けていらっしゃる70代の女性ですが、透析の後生じる体内の電解質バランス以上が引き金となって起きるこむら返りがひどく、悩んでいらっしゃいました。
こむら返りは簡単に言えば、ふくらはぎに起こる筋痙攣(きんけいれん)の総称です。ご高齢の方の場合、睡眠中に起きる場合が多いようです。予防のためには以下のような対策が有効です。
●起きている間、こまめに水分補給をする。また、枕元に水などをおいて、夜中目が覚めたら水分補給をする。
●汗をかいたら、塩分を補給する。
けれどこむら返りが「起きてしまったら」悠長に水をのんでいる場合ではありません。芍薬甘草湯をおのみください。漢方薬は成分の種類が少ない程効き目が強くなっています。芍薬甘草湯は成分数が最小の最も効き目の早い漢方薬です。そして『○○○湯』と、最後に『湯』の文字のある漢方薬は冷たい水ではなく,50~60度のお湯で「温服」すると、よく効きます。
この女性も透析の後は芍薬甘草湯を服用するようにしてから、こむら返りの症状がすっかり出なくなり、大変お喜びでした。
芍薬甘草湯はこの他にも、ぎっくり腰,肉離れ、胃けいれんなどの症状・痛みに効果があります。
ただし、芍薬甘草湯は効き目の強い漢方薬である分、長く服用を続けるお薬ではありません。
こむら返り、ぎっくり腰、肉離れ、胃けいれんなどの「強い症状」に対応するため、「強い処方」となっているのです。
使い方を間違えないようにしましょう。
最終更新日: 2010/05/13 04:26 午前; 17,310 閲覧件数 